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水質検査書の見方がわからない方必見!項目別の読み方と対処法を専門解説
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井戸水や飲用水の水質検査を依頼して、結果書が届いたものの、専門用語や数値がたくさん並んでいて「どこを見ればいいの?」「この数値は大丈夫なの?」と不安になる方は少なくありません。
水質検査書は私たちの健康を守るための重要な資料ですが、初めて見る方にとっては非常に分かりにくいものです。
しかし、見方のポイントさえ押さえてしまえば、誰でも自分の水が安全かどうかを判断できるようになりますよ。
この記事では、水質検査書の基本的な見方から、単位の読み方、主要な検査項目の解説、そして不適合だった場合の具体的な対処法まで、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
水質検査書とは何か?まず基本を理解しましょう
水質検査書が示す内容
水質検査書とは、水道水や井戸水などの飲用水に含まれる成分や細菌の量を測定し、その結果を記載した報告書のことです。
この検査書には、私たちの健康に影響を与える可能性のある物質や細菌がどのくらい含まれているかが、数値で明確に示されています。
水質検査は、国土交通大臣及び環境大臣登録の水質検査機関や、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく建築物飲料水水質検査業者によって実施されます。
検査結果は客観的なデータとして信頼できるものですから、安心して判断材料にしてくださいね。
水質基準の考え方を知っておこう
水質基準は、水道法に基づいて定められた51項目の基準値が基本となります。
この基準値は「生涯にわたって水道水を飲用しても、人の健康に影響を生じない水準」をもとにして、さらに安全率を加味して設定されているんです。
つまり、基準値以下であれば、毎日2リットルの水を生涯飲み続けても健康に影響がないレベルということですよ。
また、水道事業体の水道水には51項目すべての基準が適用されますが、一般家庭の井戸水には法的な基準義務がないため、使用者本人の自己管理が重要になります。
ただし、井戸水の場合でも水道法の水質基準が安全性の目安となりますので、この基準を参考に判断していくことが大切です。
水質検査書の単位の読み方を押さえましょう
基本的な単位とその意味
水質検査書には様々な単位が使われていますが、まずは基本的なものから理解していきましょう。
mg/L(ミリグラムパーリットル)
最もよく使われる単位で、水1リットルの中に含まれる対象物質のミリグラム数を表します。
1mgは1グラム(1円玉1枚分の重さ)の1000分の1の重さです。
例えば、家庭用のお風呂(約200リットル)に食塩を軽くひとつまみ(0.2グラム)溶かしたくらいの量が1mg/Lに相当しますよ。
μg/L(マイクログラムパーリットル)
mg/Lよりもさらに微量な物質を測定する際に使われる単位です。
1μgは1mgの1000分の1、つまり1グラムの100万分の1の重さを表します。
非常に微量な有害物質の測定に使われることが多い単位ですね。
ppm(ピーピーエム)
parts per millionの略で、100万分率を意味します。
水の場合、1ppmは1mg/Lとほぼ同じ値として扱われることが多いです。
%(パーセント)
100分率を示す単位で、比較的濃度が高い物質の測定に使用されます。
基準値の表記を正しく理解しよう
「0.01mg/L以下」とはどんな量?
ヒ素の基準値を例に考えてみましょう。
0.01mg/Lとは、500mLのペットボトル1万本(5000リットル)に水1滴(約0.05mL=50mg)が入った量と同じ数値なんです。
非常に微量であることが分かりますよね。
「0.01mg/L未満」の意味とは
「未満」という表記が出てきた場合、水1リットル中に含まれる量が0.01mgより少ないということを意味します。
現在の分析法や分析機器では、正確に測定(定量)できる最小の量があり、その量より少ない場合に「未満」と表示されるんです。
つまり「検出されなかった」または「検出されたとしても極めて微量だった」ということですから、安全性の面では問題ありませんよ。
主要な水質検査項目を理解しましょう
水質検査には多くの項目がありますが、特に重要な項目について詳しく見ていきましょう。
必須項目(11項目)の詳細解説
井戸水などを飲用する場合、最低限チェックしておきたいのが「必須項目11項目」です。
これらは水道事業体が定期検査を省略できない23項目のうち、消毒副生成物12項目を除いた項目で、飲用水の安全性を判断する上で最も基本的な検査項目となります。
一般細菌
基準値
1mLの検水で形成される集落数が100以下であること
この項目が示すこと
一般細菌は特定の細菌を指すものではなく、いわゆる雑菌全般のことです。
大部分は直接病原菌との関連はありませんが、多数検出される場合は、し尿や生活排水、汚水による汚染の可能性を示しています。
また、消毒が有効に機能しているかの判断基準にもなりますよ。
不適合時の対策
滅菌装置を設置するか、煮沸消毒を行いましょう。
煮沸の場合は5分程度沸騰させ続けて、冷ましてから飲用します。
できあがった水はその日のうちに飲むようにしてくださいね。
すでに滅菌装置を設置している場合は、消毒剤の不足など装置が適正に稼働しているか確認することが重要です。
大腸菌
基準値
検出されないこと(陰性)
この項目が示すこと
人や動物の腸管内に生息している大腸菌が検出された場合は、人や動物の糞便に由来する病原生物の汚染の疑いがあります。
大腸菌の大部分は病原性はありませんが、腸管出血性大腸菌O157など病原性のある大腸菌や、赤痢菌やチフス菌などの腸管系病原菌に汚染されている可能性を否定できません。
大腸菌が「検出」された場合は、必ず対策を講じる必要がありますよ。
不適合時の対策
一般細菌と同様に、滅菌装置の設置または煮沸消毒が有効です。
すでに装置を設置している場合は、消毒剤の補充や装置の点検を行いましょう。
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
基準値
10mg/L以下
この項目が示すこと
土壌中や植物体内、たんぱく質等の有機物に含まれる窒素分は、時間とともに亜硝酸態窒素から硝酸態窒素に変化していきます。
この物質が多量に検出された場合は、窒素肥料、生活排水、糞便などの混入等の影響が考えられるんです。
特に注意が必要なのは、乳児(6ヶ月未満)が高濃度の水を摂取するとメトヘモグロビン血症をおこし、呼吸作用を阻害する可能性があることです。
不適合時の対策
イオン交換法や逆浸透法による浄水器の設置が効果的です。
または井戸の掘り直しや上水道への切り替えを検討しましょう。
亜硝酸態窒素
基準値
0.04mg/L以下
この項目が示すこと
地質による影響と、流出した肥料成分、し尿、下水等による汚染が過去においてはなはだしかったことを示します。
亜硝酸態窒素は硝酸態窒素よりも不安定な形態で、時間とともに硝酸態窒素に変化していくため、検出された場合は比較的最近の汚染を示唆しています。
不適合時の対策
水源の転換、または飲料用以外での利用を検討してください。
塩化物イオン
基準値
200mg/L以下
この項目が示すこと
いわゆる塩分のことで、海水の浸入、し尿、下水、排水等の混入を疑わせる指標です。
自然水にもいくらか含まれ地域差がありますが、特に多量に含まれる場合や急激に増加する場合は汚染の指標となります。
基準値の200mg/Lでは塩分を感じない程度ですが、250mg/L以上で塩分を感じ、4000mg/L以上では心臓疾患や腎臓疾患に関与すると言われていますよ。
不適合時の対策
一般的に除去が困難なため、水源の見直しが必要になります。
有機物(全有機炭素(TOC)の量)
基準値
3mg/L以下
この項目が示すこと
水中の有機物質含有量の指標です。
生活排水や工場排水などに含まれる有機物が、自然の浄化作用で処理(浄化)できない場合、この数値が高くなります。
水中のこの数値を測定することで、どの程度有機物を含んでいるか分かりますので、水質汚染の程度が判断できるんです。
不適合時の対策
浄水器によるろ過が有効な場合がありますが、一般的には除去が困難です。
pH値(水素イオン濃度)
基準値
5.8以上8.6以下
この項目が示すこと
水の酸性、アルカリ性の度合いを示し、0から14までの数値で表されます。
数値が小さいほど酸性を、大きいほどアルカリ性を示し、pH7が中性です。
通常は中性付近の数値ですが、地下水は二酸化炭素が含まれているため弱酸性を示すことが多いんですよ。
異常値を示した場合は、工場排水や汚水などの混入による汚染が考えられます。
不適合時の対策
一般家庭では調整が困難なため、専門家に相談が必要です。
臭気
基準値
異常でないこと
この項目が示すこと
水の臭気は、不快感を与え、飲用障害を起こすほか、汚染の指標でもあります。
藻類やある種の細菌の繁殖、生活排水や工場排水による汚染、あるいは配管の材質等の原因によって異常が発生しますよ。
不適合時の対策
軽度であれば浄水器で改善される場合がありますが、原因の追及と除去が重要です。
味
基準値
異常でないこと
この項目が示すこと
臭気の項目と同様に飲料水としての快適度の指標となる項目で、地質の影響等により不快な味を感じることがあります。
色度
基準値
5度以下
この項目が示すこと
着色障害を考慮して基準値が設定されました。
着色の要因としては、一般的には地質の影響を受けやすく、鉄、マンガンやフミン質(植物などが微生物によって分解されるときの最終分解生成物)などの有機物が考えられます。
配管等の腐食、サビによる赤水もありますよ。
不適合時の対策
配管の腐食が原因の場合は、配管の交換または洗浄が必要です。
汚染が鉄に由来する場合は、除鉄装置の設置で改善される場合があります。
濁度
基準値
2度以下
この項目が示すこと
外見上の不快感や味覚障害等の飲用障害の観点から基準値が設定されました。
にごりの要因としては粘土や砂の混入、配管等の腐食が主な原因となりますが、微生物に起因することもあります。
不適合時の対策
原因や程度によりますが、浄水器などのろ過装置の設置で改善される場合があります。
健康に直結する有害物質項目
水質基準51項目の中には、健康に重大な影響を与える可能性のある有害物質も含まれています。
カドミウム及びその化合物
基準値
0.003mg/L以下
健康への影響
腎臓障害を引き起こし、連続的に摂取するとイタイイタイ病等の原因となります。
鉱山や工場排水の混入による汚染の疑いを示す項目です。
不適合時の対策
飲用利用の停止、原因の追及、水源の転換が必要です。
水銀及びその化合物
基準値
0.0005mg/L以下
健康への影響
口腔障害、言語障害、神経障害、腎臓障害をおこします。
工場排水等の流入による汚染の疑いを示す項目ですよ。
不適合時の対策
飲用利用の停止、原因の追及、水源の転換が必要です。
鉛及びその化合物
基準値
0.01mg/L以下
健康への影響
有毒で蓄積性があり、神経系統への障害を引き起こします。
血液や血管系を侵し、貧血、血色素量の低下、頭痛、食欲不振をまねくほか、腎臓障害や不妊の原因にもなります。
地質による影響のほか、鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示しますよ。
不適合時の対策
飲用利用の停止、原因の追及、水源の転換が必要です。
ヒ素及びその化合物
基準値
0.01mg/L以下
健康への影響
爪や毛髪の萎縮、肝硬変、知覚麻痺をおこします。
地質による影響のほか、農薬、殺虫剤、医薬品、除草剤の混入による汚染の疑いを示す項目です。
不適合時の対策
飲用利用の停止、原因の追及、水源の転換が必要です。
生活に影響を与える項目
健康への直接的な害は少ないものの、日常生活に支障をきたす項目も存在します。
鉄及びその化合物
基準値
0.3mg/L以下
生活への影響
衛生上の有毒性よりも、洗濯のとき衣類を赤くする、お茶の味を悪くする、という観点から基準値が定められています。
いわゆる「赤水障害」を引き起こす原因となりますよ。
地質による影響と配管等の腐食、工場排水の混入による汚染の疑いを示します。
不適合時の対策
除鉄装置取付、浄水器取付が有効です。
マンガン及びその化合物
基準値
0.05mg/L以下
生活への影響
神経症状(言語障害)を主とする中毒症状のほか、水を着色し食器を汚染する「黒水障害」を引き起こします。
主として地質の影響によるほか、鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示しますよ。
不適合時の対策
除マンガン装置の取付、水源の転換が必要です。
カルシウム、マグネシウム等(硬度)
基準値
300mg/L以下
生活への影響
高濃度で胃腸障害をおこす場合もありますが、硬度の高い水は石鹸の泡立ちが悪く、日常生活に影響が大きいです。
ボイラー水にも不適となります。
ただし、適量の硬度(10〜100mg/L)の水は飲料水として美味なんですよ。
地質による影響と海水、工場排水、下水等の混入の疑いを示します。
不適合時の対策
特別な対策は一般家庭では困難です。
水質検査結果の正しい判断方法
適合・不適合の判断基準
水質検査結果を見る際、最も重要なのは各項目の数値が基準値以下(または基準に適合)しているかどうかです。
すべての項目が基準値以下であれば「適合」となり、飲用に適した水と判断されます。
一方、1つでも基準値を超える項目があれば「不適合」となり、飲用には適していない水となってしまうんです。
ただし、不適合だからといってすぐにパニックになる必要はありませんよ。
どの項目で不適合になっているかによって、対策方法や緊急度が異なります。
検査結果書で注目すべきポイント
基準値との比較
まず、各項目の測定値が基準値と比較してどのような位置にあるかを確認しましょう。
基準値ぎりぎりの場合は、今後悪化する可能性も考えて、定期的な検査を続けることが大切です。
「未満」や「検出せず」の表示
これらの表示は、測定できないほど微量か、まったく含まれていないことを意味しますので、安全性の面では最も良好な状態と言えますよ。
数値の変動
以前にも検査を受けたことがある場合は、前回との数値の変化に注目してください。
急激な増加や減少は、水質に何らかの変化が起きている可能性を示しています。
総合的な水質評価の考え方
水質検査項目には、全く検出されてはいけないもの、数値が高いと健康上支障のあるもの、生活への影響が大きいもの、そして値の大きな変動により水質の異常を判断するものなどがあります。
これらは互いに関係づけながら、総合的に水質を判断することが重要なんです。
例えば、一般細菌と大腸菌の両方が検出された場合は、し尿や生活排水による汚染の可能性が高いと総合的に判断できますよ。
また、塩化物イオンと硝酸態窒素が同時に高い値を示した場合も、同様に生活排水や肥料による汚染が疑われます。
単独の項目だけでなく、関連する項目を合わせて見ることで、より正確な水質の状態把握ができるんです。
不適合だった場合の具体的対処法
緊急度の判断方法
検査結果が不適合だった場合、まず緊急度を判断することが重要です。
すぐに飲用を停止すべきケース
大腸菌が検出された場合や、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素などの有害物質が基準値を超えた場合は、直ちに飲用を停止してください。
これらは健康に直接的な害を及ぼす可能性があるため、緊急の対応が必要ですよ。
短期的には使用可能なケース
色度や濁度、鉄やマンガンなど、主に生活上の不便さに関わる項目のみが不適合の場合は、短期的には飲用も可能ですが、早めに改善策を講じることをおすすめします。
項目別の改善策
細菌汚染への対策
一般細菌や大腸菌が検出された場合の対策は明確です。
最も簡単な方法は煮沸消毒で、5分程度沸騰させ続けて、冷ましてから飲用します。
ただし、できあがった水はその日のうちに飲むようにしてくださいね。
恒久的な対策としては、滅菌装置(塩素滅菌装置など)の設置が効果的です。
すでに装置を設置している場合は、消毒剤の不足や装置の故障がないか確認しましょう。
窒素化合物への対策
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素が基準値を超えた場合、煮沸では除去できないため注意が必要です。
イオン交換法や逆浸透法による浄水器の設置が効果的ですよ。
または、井戸の掘り直しや上水道への切り替えを検討しましょう。
特に乳児のミルクに使用する場合は、基準値以下であっても低い値の水を選ぶことが望ましいです。
有害物質への対策
カドミウム、水銀、鉛、ヒ素などの有害物質が検出された場合は、家庭用の浄水器では対応できないケースがほとんどです。
飲用利用を停止し、原因を追及して水源の転換を検討する必要があります。
保健所や専門機関に相談して、適切な対応を取ってくださいね。
鉄・マンガンへの対策
鉄やマンガンによる赤水・黒水障害の場合、除鉄・除マンガン装置の取付が効果的です。
配管の腐食が原因の場合は、配管の交換やライニング工事も検討しましょう。
専門家への相談のタイミング
検査結果が不適合の場合、自己判断だけで対応するのは危険です。
特に以下のような場合は、すぐに保健所や水質検査機関に相談してくださいね。
有害物質が検出された場合、複数の項目で不適合になった場合、数値が基準値を大きく超えている場合、適切な対策方法が分からない場合などです。
保健所では水質に関する相談を受け付けており、具体的な改善策についてアドバイスをもらえますよ。
恒久的な対策としては、上水道に切り替えることが最も確実な方法と言えます。
定期的な水質検査の重要性
検査頻度の目安
井戸水を飲用している場合、定期的な水質検査が欠かせません。
最低でも年1回は必須項目11項目の検査を受けることをおすすめします。
また、5年以内ごとに1回は水質基準51項目すべての検査を受けることが理想的ですよ。
新しく井戸を掘った場合や、井戸の周辺環境に変化があった場合(工事、新しい建物の建設など)は、臨時の検査も検討しましょう。
検査が必要な状況
定期検査のほかにも、以下のような状況では臨時の検査が必要です。
水の色や臭い、味に異常を感じた場合、周辺で汚染事故や環境変化があった場合、近隣で水質問題が報告された場合、長期間使用していなかった井戸を再使用する場合などですよ。
これらの状況では、飲用を開始する前に必ず検査を受けてください。
検査結果の記録と管理
水質検査結果は、過去のデータと比較することで水質の変化を把握できる貴重な資料です。
検査結果書は必ず保管し、経年変化を確認できるようにしておきましょう。
特に注目すべきは、数値の急激な変化です。
これは水質に何らかの異常が発生している可能性を示していますので、早めに専門家に相談してくださいね。
井戸水利用者が知っておくべきこと
井戸の衛生管理
水質検査と並んで重要なのが、井戸自体の衛生管理です。
井戸の周辺環境
井戸の周囲は常に清潔に保ち、汚水が流入しないようにしましょう。
井戸の半径10メートル以内には、し尿浄化槽、ゴミ置き場、家畜小屋などの汚染源を設置しないことが望ましいですよ。
井戸の点検
井戸のふた、ポンプ、配管などに破損や腐食がないか定期的に点検してください。
ふたは必ず閉めておき、虫や小動物、ゴミなどが入らないようにすることが大切です。
日常的な観察ポイント
毎日の使用時に、水の色、濁り、におい、味の異常の有無を確認する習慣をつけましょう。
少しでも異常を感じたら、すぐに飲用を控えて、保健所や検査機関に相談してくださいね。
また、消毒設備を有する場合には、残留塩素濃度が遊離残留塩素として0.1mg/L以上あることを確認しましょう。
上水道への切り替え検討
井戸水の水質管理は使用者本人の責任となり、検査費用や設備投資も必要になります。
水質に問題が頻発する場合や、恒久的な安全性を確保したい場合は、上水道への切り替えを検討することも一つの選択肢ですよ。
上水道であれば、水道事業体が厳格な水質管理を行っており、常に安全な水が供給されます。
よくある質問と回答
Q1:検査結果で「未満」と表示されているのは問題ないですか?
はい、まったく問題ありません。
「未満」という表示は、測定できる最小値よりも少ない量、つまり検出されなかったか極めて微量であることを意味していますよ。
安全性の面では最も良好な状態と言えます。
Q2:一般細菌が50個/mL検出されましたが、飲用できますか?
基準値は100個/mL以下ですので、50個/mLであれば基準には適合しています。
ただし、今後増加する可能性もあるため、定期的な検査を続けることをおすすめしますよ。
また、乳幼児や免疫力が低下している方が飲用される場合は、より慎重に対応してください。
Q3:硝酸態窒素が12mg/L検出されました。どうすればいいですか?
基準値は10mg/L以下ですので、残念ながら不適合となります。
特に乳児のミルクには絶対に使用しないでくださいね。
イオン交換法や逆浸透法による浄水器の設置、井戸の掘り直し、上水道への切り替えなどを検討しましょう。
Q4:色度や濁度が基準を超えていますが、煮沸すれば飲めますか?
色度や濁度の原因によります。
微生物が原因であれば煮沸で対応できますが、鉄やマンガン、土砂などが原因の場合は煮沸では除去できません。
浄水器などのろ過装置の設置を検討するか、保健所に相談してくださいね。
Q5:水質検査はどこで受けられますか?
国土交通大臣及び環境大臣登録の水質検査機関や、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく建築物飲料水水質検査業者で受けることができます。
お住まいの地域の保健所に問い合わせると、検査機関を紹介してもらえますよ。
Q6:検査費用はどのくらいかかりますか?
検査項目数によって費用は大きく異なります。
必須項目11項目であれば1万円から2万円程度、水質基準51項目すべてであれば5万円から10万円程度が一般的な相場です。
検査機関によって料金が異なりますので、複数の機関に問い合わせて比較することをおすすめします。
まとめ:水質検査書を正しく理解して安全な水を確保しましょう
水質検査書の見方について、基本的な単位の読み方から主要な検査項目の解説、不適合時の対処法まで詳しくお伝えしてきました。
水質検査書は一見複雑に見えますが、ポイントを押さえれば誰でも理解できるものなんですよ。
最も重要なのは、各項目の測定値が基準値以下かどうかを確認することです。
すべての項目が基準に適合していれば、その水は安全に飲用できる水と判断できます。
万が一不適合の項目があった場合でも、慌てずに項目の内容を確認し、適切な対策を講じれば問題を解決できますよ。
大腸菌や有害物質が検出された場合は直ちに飲用を停止し、保健所や専門機関に相談してくださいね。
また、井戸水を利用されている方は、定期的な水質検査と日常的な衛生管理を欠かさず行うことが大切です。
年1回は必須項目11項目の検査を、5年に1回は水質基準51項目すべての検査を受けることをおすすめします。
水は私たちの健康を支える最も基本的な資源です。
水質検査書を正しく読み取り、安全な水を確保することで、あなたとご家族の健康を守っていきましょう。
この記事が、水質検査書の見方を理解する一助となれば幸いです。
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