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高齢者の脱水予防完全ガイド!見逃せない症状と今すぐできる7つの対策
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高齢者の脱水症状は、命に関わる深刻な問題です。
毎年夏になると熱中症による高齢者の死亡事故が報道され、その多くが脱水症状と密接に関係していますよ。
実は、高齢者の熱中症死亡率は全体の80%以上を占めており、若い世代と比べて圧倒的にリスクが高いのです。
しかし、脱水症状は夏場だけの問題ではありません。
冬の乾燥した時期にも、気づかないうちに体内の水分が失われ「かくれ脱水」と呼ばれる状態に陥ることがあります。
高齢者は体の機能の変化により、自分では脱水に気づきにくいという特徴があります。
だからこそ、ご家族や周囲の方が正しい知識を持ち、日頃から注意深く見守ることが大切なのです。
この記事では、高齢者が脱水になりやすい理由から、具体的な予防方法、緊急時の対応まで、実践的な情報を詳しくお伝えします。
大切なご家族を脱水から守るために、ぜひ最後までお読みください。
高齢者はなぜ脱水になりやすいのか
高齢者が脱水症状に陥りやすいのには、いくつかの明確な理由があります。
若い世代では問題にならないことでも、高齢になると脱水のリスクが一気に高まるのです。
ここでは、高齢者特有の体の変化と、脱水を引き起こす主な原因について詳しく解説していきます。
体内の水分量が年齢とともに減少する
成人の体内水分量は体重の約60%を占めていますが、高齢者になるとこれが50〜55%まで低下します。
この数値の違いは非常に大きな意味を持っています。
体内の水分は主に筋肉に蓄えられているため、加齢に伴う筋肉量の減少が直接的に水分保持力の低下につながるのです。
例えば、体重50kgの成人であれば約30リットルの水分を体内に保持できますが、高齢者では25〜27.5リットル程度になってしまいます。
つまり、最初から「水分の貯金」が少ない状態でスタートしているため、わずかな水分不足でもすぐに脱水状態に陥ってしまうのです。
さらに、腎臓の機能も加齢とともに低下します。
腎臓は体内の水分量を調節する重要な臓器ですが、その働きが弱くなると、老廃物を排出するためにより多くの水分(尿)が必要になります。
結果として、体内に水分を保持する力がさらに弱まり、脱水のリスクが高まるという悪循環が生まれてしまいます。
のどの渇きを感じにくくなる
高齢者が脱水になりやすい最も大きな理由の一つが、のどの渇きを感じる感覚が鈍くなることです。
若い世代であれば、体内の水分が少し減っただけで「のどが渇いた」と感じ、自然と水分を摂取しますよね。
しかし、高齢になると口渇中枢の感受性が低下し、実際には体が水分を必要としていても、本人はのどの渇きを自覚できないのです。
これは非常に危険な状態です。
なぜなら、のどが渇いたと感じた時点で、すでに軽度の脱水が始まっているケースが多いからです。
高齢者の場合、そもそものどの渇きを感じないため、気づいた時には中等度以上の脱水に進行していることも珍しくありません。
また、認知症を患っている方の場合は、さらに状況が複雑になります。
「水を飲む」という行為自体を忘れてしまったり、目の前にコップがあっても「これは飲み物だ」という認識ができなくなったりすることがあるのです。
そのため、ご家族や介護者が定期的に水分補給を促す必要があります。
水分摂取を控えてしまう心理的要因
高齢者が自ら水分摂取を控えてしまうケースも少なくありません。
最も多い理由が、トイレの回数を減らしたいという思いです。
足腰が弱くなり、トイレまでの移動が大変になると、「水を飲むとトイレが近くなるから飲まない」と考えてしまう方がいます。
特に夜間のトイレを気にして、夕方以降は水分を一切摂らないという方もいらっしゃいます。
また、過去に尿失禁の経験がある方は、その不安から水分摂取を極端に制限してしまうこともあります。
「また失敗したら恥ずかしい」という心理的な抵抗感が、必要な水分補給を妨げているのです。
さらに、食欲の低下も水分不足の原因になります。
高齢になると食事量が減りますが、実は食事からも1日約1,000mlもの水分を摂取しています。
味噌汁、お茶、果物、煮物など、食事に含まれる水分は思っているよりも多いのです。
食事量が減ることで、この部分からの水分摂取も同時に減少してしまいます。
薬の影響で脱水リスクが高まる
高齢者の多くは、何らかの慢性疾患を抱えており、複数の薬を服用しています。
実際、75歳以上の約8割が2つ以上の病気を併存しているというデータもあります。
問題は、これらの薬の中には脱水のリスクを高めるものがあることです。
代表的なのが利尿薬です。
高血圧の治療などで処方される利尿薬は、尿の排出を促して体内の余分な塩分を排出する働きがあります。
しかし、これにより体内の水分も同時に失われやすくなります。
また、降圧薬の中には発汗を促す作用があるものもあり、気づかないうちに体から水分が失われていくのです。
下痢止めや便秘薬、抗ヒスタミン薬なども、体内の水分バランスに影響を与える可能性があります。
だからこそ、定期的にかかりつけ医や薬剤師に相談し、服用している薬が脱水リスクを高めていないか確認することが重要です。
決して自己判断で薬の量を調整したり、服用を中止したりしてはいけません。
筋肉量の低下が水分保持力を弱める
前述の通り、体内の水分は主に筋肉に蓄えられています。
高齢になると、活動量の減少や栄養不足により筋肉量が大きく減少します。
これを「サルコペニア」と呼びますが、筋肉量の減少は単なる体力低下だけでなく、水分を保持する「貯水タンク」が小さくなることを意味します。
筋肉量が減ると、同じ量の水分を摂取していても、体内に保持できる水分の総量が少なくなってしまうのです。
また、筋肉量が少ないと基礎代謝も低下するため、体温調節機能も衰えます。
暑い日に汗をかいて体温を下げるという当たり前の反応がうまく働かなくなり、熱中症のリスクも高まります。
適度な運動とバランスの良い食事で筋肉量を維持することは、脱水予防の観点からも非常に重要なのです。
見逃さないで!高齢者の脱水症状チェックリスト
高齢者の脱水症状は、進行度によって現れる症状が異なります。
軽度の段階で気づいて対処できれば、重症化を防ぐことができますよ。
ここでは、軽度から重度まで、段階別の症状と自宅でできるチェック方法をご紹介します。
日頃からこれらのサインに注意し、早期発見を心がけましょう。
軽度の脱水症状
軽度の脱水は、日常生活でよくある症状と似ているため、見逃されがちです。
しかし、高齢者の場合は軽度の段階でも注意が必要ですよ。
まず、口や唇の乾燥が見られます。
唇がカサカサしていたり、口の中が乾いてネバネバした感じがしたりする場合は要注意です。
通常であれば湿っているはずの脇の下が乾いている状態も、脱水のサインです。
めまいや立ちくらみ、ふらつきなども軽度の脱水症状として現れます。
「最近よくふらつくな」と感じたら、まずは脱水を疑ってみてください。
また、食欲不振もよく見られる症状です。
いつもより食事の量が減っている、食べる意欲がないといった変化があれば、脱水が原因かもしれません。
行動面では、ボーッとしている時間が増えたり、うとうと眠そうにしている(傾眠傾向)ことが多くなったりします。
「いつもと様子が違うな」「元気がないな」と感じたら、それは体からのSOSかもしれません。
手足の先が冷たくなっているのも、血流が悪くなっているサインです。
軽度の段階で気づいて水分補給をすれば、症状は改善されることが多いです。
中等度の脱水症状
軽度の脱水を放置すると、中等度へと進行します。
この段階になると、より明確な体の異常が現れてきます。
頭痛や吐き気を訴えることが増えます。
また、皮膚の乾燥が顕著になり、ハリや弾力が失われます。
皮膚のツヤがなくなり、カサカサした状態になっていたら注意が必要です。
尿の変化も重要なサインです。
尿の量が明らかに減ったり、色が濃い茶色になったり、においが強くなったりします。
トイレに行く回数が減っている場合も、体内の水分が不足している証拠です。
体重の減少も見られることがあります。
急に体重が1〜2kg減った場合は、体内の水分が失われている可能性が高いです。
さらに、便秘がちになることもあります。
中等度になると、意識がぼんやりしたり、反応が鈍くなったりすることもあります。
呼びかけへの反応が遅い、会話がかみ合わないといった変化が見られたら、すぐに対処が必要です。
この段階では、高齢者本人が自分で十分な水分補給をすることが難しくなっている場合もあります。
ご家族や周囲の方のサポートが不可欠ですよ。
重度の脱水症状(緊急対応が必要)
重度の脱水症状は、生命に関わる危険な状態です。
以下の症状が見られたら、一刻も早く救急車を呼んでください。
意識障害が最も深刻なサインです。
呼びかけても反応がない、意識がもうろうとしている、完全に意識を失っているといった状態は緊急事態です。
体の痙攣が起こることもあります。
電解質のバランスが崩れることで、神経細胞に異常をきたし、全身または一部の筋肉が痙攣します。
血圧の低下も危険な兆候です。
脱水により血液量が減少し、血圧が急激に下がります。
顔色が悪い、冷や汗をかいている、呼吸が浅く速いといった症状も見られます。
せん妄と呼ばれる状態になることもあります。
これは、急に興奮したり、混乱したり、幻覚を見たりする症状で、高齢者に特によく見られます。
「いつもと全く違う様子」「おかしな言動が続く」といった場合は、重度の脱水を疑う必要があります。
重度の脱水は、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性もあります。
経口での水分補給では間に合わないため、病院での点滴治療が必要です。
迷わず救急車を呼び、医療機関での治療を受けてください。
自宅でできる簡単チェック方法
脱水症状を早期に発見するために、自宅で簡単にできるチェック方法をご紹介します。
これらの方法を日常的に取り入れることで、脱水のサインを見逃さずに済みますよ。
まず、手の甲のチェックです。
手の甲の皮膚を軽くつまみ上げて、離した時に元に戻るまでの時間を確認してください。
健康な状態であれば、すぐに元の状態に戻りますが、脱水している場合は3秒以上かかります。
次に、爪のチェックです。
親指の爪の先を5秒間押して、離した後に赤みが戻るまでの時間を測ります。
3秒以上かかる場合は、血流が悪くなっている可能性があります。
脇の下の湿り具合も確認しましょう。
通常であれば脇の下は少し湿っていますが、完全に乾いている場合は脱水のサインです。
尿の色と量のチェックも有効です。
健康な状態では尿は薄い黄色ですが、脱水すると濃い茶色になります。
また、1日のトイレの回数が極端に少ない(4回以下)場合も要注意です。
体重の変化にも注目してください。
毎日同じ時間に体重を測り、急激な減少(1日で1kg以上)がないか確認しましょう。
これらのチェックを習慣化し、記録をつけておくと、変化に気づきやすくなります。
高齢者の脱水を予防する7つの効果的な方法
高齢者の脱水症状は、日常生活でのちょっとした工夫で予防することができます。
ここでは、今日から実践できる7つの具体的な予防方法をご紹介します。
どれも特別な道具や知識は必要ありませんので、ぜひ取り入れてみてください。
1日に必要な水分摂取量を把握する
脱水予防の第一歩は、1日に必要な水分量を正しく知ることです。
一般的に、高齢者の1日の水分必要量は体重1kgあたり約40mlとされています。
つまり、体重50kgの方であれば、1日に約2,000mlの水分が必要です。
ただし、この量には食事から摂取する水分も含まれています。
通常の食事(ごはん、味噌汁、煮物、果物など)から約1,000mlの水分を摂取できるため、飲み物として摂取すべき量は1,000〜1,500mlが目安になります。
これはコップ約6〜7杯分に相当します。
ただし、心臓病や腎臓病で治療を受けている方は、水分制限が必要な場合もあります。
必ずかかりつけ医に相談し、その方に適した水分量を確認してください。
わかりやすく水分摂取量を管理するために、500mlのペットボトルを2〜3本用意し、1日でそれを飲み切るという方法もおすすめです。
どれだけ飲んだかが一目でわかり、「今日はまだ1本しか飲んでいないから、もう少し飲もう」と意識しやすくなりますよ。
水分摂取量を記録する表を作って、毎日チェックするのも効果的です。
時間を決めてこまめに水分補給する
高齢者はのどの渇きを感じにくいため、「のどが渇いたら飲む」では遅すぎます。
時間を決めて、定期的に水分補給をする習慣をつけることが大切です。
おすすめのタイミングは以下の通りです。
朝起きた時:就寝中にコップ1杯分の汗をかいています。
朝食時:食事と一緒にお茶や味噌汁で水分補給。
午前10時頃:朝食から少し時間が経った頃に水分補給。
昼食時:再び食事と一緒に水分を摂取。
午後3時頃:おやつの時間に水やお茶を飲む。
夕食時:食事と一緒に水分補給。
入浴前後:入浴で大量の汗をかくため、前後に必ず水分を。
就寝前:寝る前にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。
このように、1日8回程度に分けて、少量ずつ水分を摂取することが理想的です。
一度に大量の水を飲むと、胃に負担がかかったり、トイレが近くなったりして、かえって水分摂取を嫌がる原因になります。
1回あたりコップ1杯(約150〜200ml)程度を、ゆっくり飲むようにしてください。
タイマーやスマートフォンのアラーム機能を使って、水分補給の時間を知らせるのも有効ですよ。
好みの飲み物で楽しく水分補給
水分補給は毎日のことですから、本人が好きな飲み物で楽しく続けられることが大切です。
「水を飲まなければならない」と義務感を持たせるのではなく、「おいしい飲み物を楽しむ」という気持ちで取り組めるよう工夫しましょう。
基本的には、水や麦茶がおすすめです。
麦茶はミネラルも含まれており、カフェインがないため高齢者に適しています。
緑茶や紅茶、コーヒーも適量であれば問題ありませんが、カフェインには利尿作用があるため、飲みすぎには注意が必要です。
1日2〜3杯程度に留めておきましょう。
果汁100%のジュースも水分補給になりますが、糖分が多いため飲みすぎると血糖値の上昇につながります。
適度に薄めて飲むのも一つの方法です。
牛乳やヨーグルトドリンクも水分補給として有効です。
カルシウムやたんぱく質も摂取できるため、栄養面でもメリットがあります。
甘酒もミネラルが豊富で「飲む点滴」とも呼ばれ、高齢者の水分補給に適しています。
梅昆布茶は塩分とミネラルが含まれているため、夏場の脱水予防に特におすすめです。
ただし、塩分制限がある方は医師に相談してください。
複数の種類の飲み物を用意しておき、「今日は何が飲みたい?」と選んでもらうことで、水分補給への意欲が高まります。
食事から水分を摂取する工夫
飲み物だけでなく、食事からも効率的に水分を摂取することができます。
特に、食欲が低下している高齢者にとって、食事からの水分補給は重要です。
まず、毎食に汁物を取り入れましょう。
味噌汁、スープ、お吸い物などは、1杯で約150〜200mlの水分が摂取できます。
ただし、味噌汁は塩分が多いため、1日2杯程度に留め、塩分の摂りすぎに注意してください。
野菜や果物にも多くの水分が含まれています。
きゅうり、トマト、レタスなどの生野菜は約90%以上が水分です。
サラダや和え物を食事に加えることで、自然と水分摂取量が増えます。
果物では、スイカ、メロン、イチゴ、オレンジなどが水分豊富です。
デザートや間食として果物を提供するのも効果的ですよ。
煮物も水分補給に適しています。
大根の煮物、かぼちゃの煮付けなどは、食材自体に水分が含まれるだけでなく、煮汁からも水分を摂取できます。
お粥やうどんなどの水分を多く含む主食もおすすめです。
お粥は通常のご飯よりも水分含有量が多く、消化にも優しいです。
ゼリーや水ようかん、プリンなどの水分を凝固させた食品も、飲み物を嫌がる方には有効です。
食事全体で水分を意識した献立を考えることが、脱水予防につながります。
室温・湿度を適切に管理する
室内環境を適切に保つことは、脱水予防の重要なポイントです。
特に高齢者は温度や湿度の変化を感じにくいため、周囲の方が気を配る必要があります。
夏場の室温管理は、熱中症予防の観点からも非常に重要です。
エアコンを使用し、室温を26〜28度に保つようにしましょう。
「電気代がもったいない」と我慢する高齢者もいますが、命には代えられません。
夜間も切らずに、一晩中つけておくことをおすすめします。
湿度は50〜60%が快適とされています。
夏場は除湿機能も活用し、ジメジメした環境を避けましょう。
冬場は逆に乾燥が大敵です。
暖房を使うと室内の湿度が下がり、皮膚や呼吸器から水分が失われやすくなります。
加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、室内の湿度を保ちましょう。
寝室の環境も重要です。
就寝中は気づかないうちに大量の汗をかくため、寝室の温度と湿度も適切に管理してください。
温湿度計を設置し、定期的にチェックする習慣をつけると良いでしょう。
記録をつけることで、時間帯や天候による変化も把握でき、適切な対策を講じやすくなります。
高齢者本人が暑さや寒さを訴えなくても、客観的なデータをもとに環境を整えることが大切です。
入浴前後や運動時の水分補給を徹底する
入浴や運動は、通常以上に汗をかくため、特に注意が必要です。
入浴では、10分間の入浴で約800mlもの水分が失われると言われています。
入浴前にコップ1杯の水を飲み、入浴後にもコップ1〜2杯の水分を補給してください。
夏場の長時間入浴や、熱いお湯での入浴は避け、ぬるめのお湯(38〜40度)で短時間(10〜15分程度)にすることをおすすめします。
入浴中も、浴室に水を持ち込んで、途中で水分補給するのも効果的です。
運動に関しても、同様の注意が必要です。
散歩やラジオ体操などの軽い運動であっても、運動前にコップ1杯の水を飲んでください。
運動中は15〜20分ごとに少量ずつ水分を摂り、運動後にもしっかり水分補給をしましょう。
夏場の屋外での運動は、できるだけ涼しい時間帯(早朝や夕方)を選び、帽子をかぶるなどの熱中症対策も忘れずに。
運動後は、失った水分を補うだけでなく、電解質も補給する必要があります。
スポーツドリンクや経口補水液を活用すると良いでしょう。
庭仕事や掃除などの日常的な活動でも汗をかきますので、こまめに休憩を取り、水分補給することを忘れないでください。
経口補水液を上手に活用する
脱水予防や軽度の脱水症状の改善には、経口補水液が非常に効果的です。
経口補水液とは、水に食塩とブドウ糖を適切な割合で溶かしたもので、水分と電解質を効率よく吸収できるよう設計されています。
普通の水やお茶だけでは、失われた電解質を補うことができません。
特に汗をたくさんかいた時や、下痢・嘔吐がある時は、水分と一緒にナトリウム、カリウムなどの電解質も失われています。
経口補水液は、これらをバランス良く補給できる優れた飲料なのです。
市販の経口補水液(OS-1など)もありますが、自宅でも簡単に作ることができます。
水1リットルに対して、食塩3g(小さじ半分強)、砂糖20〜40g(大さじ2〜4杯)を溶かすだけです。
少量のレモン果汁を加えると、飲みやすくなりますよ。
経口補水液は、日常的に常備しておくことをおすすめします。
ただし、塩分が含まれているため、心臓病や腎臓病で塩分制限がある方は、医師に相談してから使用してください。
スポーツドリンクも水分補給に使えますが、糖分が多いため、日常的な水分補給としては経口補水液の方が適しています。
スポーツドリンクは健康時の運動後に、経口補水液は脱水が疑われる時や予防として、と使い分けると良いでしょう。
水分補給を嫌がる高齢者への対応策
「水を飲んでください」と促しても、なかなか飲んでくれない高齢者は少なくありません。
トイレの心配、味の好み、飲み込みの困難さなど、理由は様々です。
ここでは、水分補給を嫌がる方への具体的な対応策をご紹介します。
声かけの工夫とタイミング
水分補給を促す際の声かけの仕方は、とても重要です。
命令口調で「水を飲みなさい」と言うのではなく、優しく自然に促すことが大切ですよ。
「お茶にしませんか?」「少し休憩して、水分を摂りましょうか」といった柔らかい表現を使いましょう。
また、理由を説明することも効果的です。
「今日は暑いから、体のために水分を摂りましょう」「お風呂から上がった後は、水分が必要ですよ」など、なぜ水分が必要なのかを伝えると、納得して飲んでくれることが多いです。
トイレを気にして飲みたがらない方には、「少しだけで大丈夫ですよ」と安心させてあげましょう。
「トイレに行きたくなったら、お手伝いしますから」と伝えることも、心理的な不安を和らげます。
タイミングも工夫してください。
食事の時、おやつの時、テレビを見ている時など、自然な流れで水分補給できる場面を選びましょう。
家族が一緒に飲むことで、「みんなで飲もう」という雰囲気を作るのも効果的です。
記録をつけて見える化することも有効です。
「今日はここまで飲めましたね、あと少しですよ」と進捗を伝えることで、達成感を感じてもらえます。
ゼリーや果物で水分摂取
どうしても飲み物を嫌がる方には、食べ物から水分を摂取する方法があります。
ゼリーは、飲み物を凝固させたもので、水分補給に非常に適しています。
市販の水ゼリーや果汁ゼリーを活用するのも良いですし、自宅でも簡単に作れます。
お茶や果汁にゼラチンや寒天を加えて固めるだけで、オリジナルの水分補給ゼリーが完成します。
特に、飲み込む力が弱くなっている方には、ゼリーの方が安全に摂取できることもあります。
果物も優れた水分源です。
スイカ、メロン、イチゴ、オレンジ、グレープフルーツ、梨、桃などは、水分含有量が90%前後もあります。
おやつとして果物を提供することで、楽しく水分補給ができますよ。
凍らせた果物やシャーベットも、夏場には特に喜ばれます。
水ようかんやプリン、ヨーグルトなども水分を多く含む食品です。
甘いものが好きな方には、これらを活用すると良いでしょう。
形を変えることで、「水を飲む」という行為への抵抗感が薄れ、自然と水分摂取量が増えることも多いです。
バリエーションを増やし、本人の好みに合わせて提供することが成功のカギです。
飲みやすい温度と容器の選び方
飲み物の温度や容器も、水分補給の成功に大きく影響します。
冷たすぎる飲み物は、高齢者にとって胃腸に負担がかかることがあります。
常温からぬるめ(15〜25度程度)の温度が、最も飲みやすく体にも優しいですよ。
冷蔵庫から出したばかりの飲み物は、少し常温に戻してから提供すると良いでしょう。
逆に、冬場は温かい飲み物の方が好まれます。
白湯、温かいお茶、温めた牛乳などは、体も温まり一石二鳥です。
容器の選び方も重要です。
重いコップは持ちにくいため、軽量のプラスチックコップや、持ち手のついたマグカップがおすすめです。
握力が弱い方には、両手で持てる大きめの持ち手がついたものが良いでしょう。
飲み込む力が弱い方には、飲み口が小さいコップを使うと、一度に口に入る量が少なくなり、むせにくくなります。
ストローを使うのも有効です。
ストローであれば、顔を上に向けずに飲めるため、誤嚥のリスクが減ります。
ただし、吸う力が必要なため、それが難しい方には適しません。
飲み物にとろみをつけるという方法もあります。
市販のとろみ剤を使えば、サラサラの液体をとろみのある状態にでき、飲み込みやすくなります。
本人が飲みやすい温度や容器を見つけることで、水分補給への抵抗感が減り、自発的に飲んでくれるようになることもあります。
脱水症状が出てしまったときの応急処置
どんなに気をつけていても、脱水症状が出てしまうことはあります。
その際、適切な応急処置を知っておくことで、症状の悪化を防げますよ。
ここでは、症状の程度別に、家庭でできる対処法を解説します。
軽度の場合の対処法
軽度の脱水症状(口の乾燥、軽いめまい、ふらつきなど)が見られた場合は、まず安静にして、経口補水液を飲ませましょう。
一度に大量に飲ませるのではなく、少量ずつ、時間をかけて飲ませることが重要です。
15〜20分おきに、コップ半分程度(約100ml)の経口補水液を飲ませてください。
体重1kgあたり30〜50mlを目安に、4時間以内に補給すると効果的です。
例えば、体重50kgの方であれば、1,500〜2,500mlを4時間かけて摂取します。
涼しい場所で休ませ、衣服を緩めて体を楽にしてあげましょう。
エアコンや扇風機で室温を下げることも大切です。
濡れタオルで体を拭いたり、冷たいタオルを額や首筋に当てたりすると、体温が下がり楽になります。
経口補水液がない場合は、前述の方法で自作するか、スポーツドリンクを水で薄めたものでも代用できます。
ただし、普通の水だけでは電解質が補給できないため、少量の塩を加えるなどの工夫をしてください。
症状が改善しない場合や、悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。
中等度の場合の対処法
中等度の脱水症状(頭痛、吐き気、意識の混濁など)が見られる場合は、より慎重な対応が必要です。
経口補水液を、体重1kgあたり100mlを目安に、4時間以内に飲ませてください。
ただし、吐き気がある場合は、一気に飲ませると嘔吐を誘発する可能性があります。
5〜10分おきにスプーン1杯程度から始め、様子を見ながら少しずつ量を増やしていきましょう。
下痢がある場合は、1回排泄するごとに、体重1kgあたり10mlの経口補水液を追加で飲ませます。
嘔吐がある場合は、1回嘔吐するごとに、吐いた量と同程度の経口補水液を飲ませる必要があります。
意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い場合は、無理に飲ませると誤嚥の危険があります。
このような状態であれば、すぐに医療機関に連絡し、受診の判断を仰いでください。
涼しい場所で横になって休ませ、足を少し高くすると血流が改善されることがあります。
衣服を緩め、体を冷やす処置も続けてください。
症状が改善傾向にあれば、軽度の対処法に移行し、様子を見ます。
しかし、中等度の場合は医師の診察を受けることをおすすめします。
重度の場合は迷わず救急車を
重度の脱水症状(意識障害、痙攣、血圧低下など)が見られた場合は、一刻を争う緊急事態です。
迷わず119番通報し、救急車を呼んでください。
口からの水分補給では間に合わず、病院での点滴治療が必要です。
救急車を待つ間も、できる限りの処置をしましょう。
涼しい場所に移動させ、衣服を緩めます。
意識がない場合は、気道を確保するために顔を横に向けて寝かせてください。
嘔吐物で窒息しないよう注意が必要です。
体を冷やすために、冷たいタオルを額、首筋、脇の下、足の付け根などに当てます。
ただし、意識がない状態で無理に水分を飲ませることは絶対にしないでください。
誤嚥して窒息する危険があります。
救急隊員が到着したら、以下の情報を伝えましょう。
いつから症状が始まったか、どのような症状があるか、持病や服用している薬、これまでの水分摂取状況などです。
お薬手帳があれば、それも一緒に持っていくと良いでしょう。
重度の脱水は、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気につながる可能性もあります。
「様子を見よう」と判断を遅らせることなく、すぐに救急車を呼ぶことが命を守ることにつながります。
季節別の脱水予防ポイント
脱水症状は、季節によってリスクや対策が異なります。
夏場だけでなく、冬場も注意が必要なのです。
ここでは、季節ごとの特徴と、それぞれに適した予防策をご紹介します。
夏場の脱水予防対策
夏場は、高温多湿により大量の汗をかくため、最も脱水のリスクが高い季節です。
熱中症との関連も深く、命に関わる事態になることもあります。
室温管理を徹底しましょう。
高齢者は暑さを感じにくいため、「暑くない」と言っていても、実際には危険な温度になっていることがあります。
エアコンを使用し、室温を26〜28度に保ってください。
「電気代がもったいない」「クーラーの風が嫌い」という理由でエアコンを使わない方もいますが、命には代えられません。
ご家族から説得することも大切です。
水分補給の頻度を増やしましょう。
夏場は普段よりも多くの水分が必要になるため、1日1,500〜2,000ml以上を目安に、こまめに飲むようにしてください。
外出時は、帽子や日傘を使い、直射日光を避けます。
涼しい時間帯(早朝や夕方)に活動し、日中の最も暑い時間(11時〜15時)は外出を控えましょう。
どうしても外出する場合は、こまめに日陰で休憩し、水分補給することを忘れずに。
服装も重要です。
通気性の良い、吸湿速乾性のある素材の服を選び、熱がこもらないようにしましょう。
経口補水液を常備しておくと、いざという時に安心です。
冬場も油断禁物!乾燥による脱水
冬場は夏ほど意識されませんが、実は脱水のリスクが高い季節です。
空気が乾燥し、暖房を使うことで室内の湿度がさらに下がり、皮膚や呼吸器から知らず知らずのうちに水分が失われていきます。
これを「不感蒸泄」と言い、1日約900ml程度の水分が失われていると言われています。
冬場は特に、のどの渇きを感じにくいため、「飲まなくても大丈夫」と思いがちですが、体内では確実に水分が不足しています。
室内の湿度管理が重要です。
加湿器を使用し、湿度を50〜60%に保ちましょう。
加湿器がない場合は、濡れタオルを室内に干したり、洗濯物を部屋干ししたりすることでも湿度を上げられます。
暖房で室温が高すぎると、さらに乾燥が進むため、室温は20〜22度程度に設定してください。
冬場も、夏と同じように定期的な水分補給が必要です。
「寒いから」と水分摂取を怠らないよう注意しましょう。
温かい飲み物であれば、冬場でも飲みやすいですよ。
白湯、温かいお茶、温めた牛乳、生姜湯などを活用してください。
インフルエンザや風邪で発熱した時は、特に注意が必要です。
発熱により体温が1度上がると、1日の水分必要量が約15%増加します。
病気の時こそ、意識的に水分補給をすることが大切です。
冬場の入浴も注意が必要です。
寒いからと熱いお湯に長時間浸かると、大量の汗をかき脱水状態になります。
入浴前後の水分補給を忘れずに行ってください。
まとめ:家族みんなで高齢者の脱水を防ぎましょう
高齢者の脱水症状は、日常生活の中で誰にでも起こりうる身近な問題です。
しかし、正しい知識と適切な予防策があれば、そのリスクを大きく減らすことができますよ。
高齢者は体内の水分量が少なく、のどの渇きも感じにくいため、自分では気づかないうちに脱水状態に陥っていることがあります。
だからこそ、ご家族や周囲の方が日頃から注意深く見守り、積極的に水分補給を促すことが何よりも重要なのです。
1日に必要な水分量を把握し、時間を決めてこまめに水分補給する習慣をつけましょう。
好みの飲み物や、ゼリー・果物などを活用して、楽しく無理なく続けられる工夫をしてください。
室温や湿度の管理、入浴前後の水分補給も忘れずに行いましょう。
軽度の脱水症状のサインを見逃さないために、手の甲や爪のチェック、尿の色や量の確認など、簡単なチェック方法を日常に取り入れてください。
「いつもと様子が違うな」と感じたら、それは体からのSOSかもしれません。
万が一、脱水症状が出てしまった場合でも、適切な応急処置を知っていれば、症状の悪化を防ぐことができます。
軽度であれば経口補水液で対処できますが、中等度以上であれば医療機関への受診を検討し、重度の場合は迷わず救急車を呼んでください。
脱水予防は、特別なことではありません。
毎日のちょっとした心がけと工夫の積み重ねが、大切なご家族の健康と命を守ることにつながるのです。
「のどが渇いてから」ではなく、「渇く前に」水分補給をする習慣を、ぜひご家族みんなで実践してください。
高齢者が安心して、健康に過ごせるよう、今日からできることから始めましょう。
あなたの小さな気づきと行動が、大切な人の命を救うことになるかもしれません。
家族みんなで協力し、高齢者の脱水を防いでいきましょうね。
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