白湯とは？お湯との違いを知っておこう

「白湯って結局お湯と何が違うの？」そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

白湯とは、水を一度沸騰させてから50〜60℃程度に冷ました飲み物のことを指します。

一方、お湯は単に水を温めたもので、必ずしも沸騰させる必要はありません。

この「一度沸騰させる」という工程が、白湯とお湯の大きな違いなんですよ。

沸騰させることで、水道水に含まれるカルキ（残留塩素）やトリハロメタンなどの不純物を除去できるため、体に優しい飲み物になるのです。

古代インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」でも、白湯は「火・風・水の3要素を含むバランスの取れた飲みもの」として、健康に役立つ飲み物だと位置付けられてきました。

昔から世界中で健康維持のために飲まれてきた白湯は、まさに最強の健康ドリンクと言えるでしょう。

白湯の基本的な作り方【やかん・鍋を使う方法】

まずは、もっとも一般的で正統派と言われる、やかんや鍋を使った白湯の作り方をご紹介します。

この方法なら、水道水に含まれる不純物をしっかり除去できますよ。

やかんで作る白湯の手順

やかんに水を入れて強火にかけましょう。

水は沸騰すると量が減るため、飲みたい量よりも多めに入れておくのがポイントです。

沸騰したら、必ずふたを開けてください。

ふたを開けることで、カルキなどの不純物が蒸気とともに外に逃げていきます。

そのまま弱火にして、5〜10分程度沸騰させ続けましょう。

この「沸騰後も煮沸を続ける」という工程が、白湯作りで最も重要なポイントなんですよ。

沸騰してすぐに火を止めてしまうと、不純物が十分に除去されず、ただのお湯になってしまいます。

10分ほど煮沸したら火を止めて、カップに注ぎます。

そのまま自然に冷まして、50〜60℃程度の飲みやすい温度になったら完成です。

鍋で作る場合も同じ手順でOK

やかんがない場合は、鍋を使っても同じように作れます。

手順はやかんと全く同じですので、自宅にある調理器具で気軽に始められますよ。

白湯の簡単な作り方【時短テクニック】

「毎日10分も沸騰させるのは面倒…」という方も多いはずです。

そんな方のために、もっと手軽に白湯を作れる方法をご紹介しましょう。

電子レンジで作る白湯

忙しい朝や、すぐに白湯を飲みたい時には電子レンジが便利です。

耐熱カップに水を150〜200ml程度注ぎます。

電子レンジ500Wで約2分、600Wなら1分30秒、700Wなら1分程度温めましょう。

加熱後は温度ムラがある可能性があるため、よくかき混ぜてから飲むようにしてください。

ただし、電子レンジで作る場合は注意点があります。

水道水を使うと、煮沸時間が短いため不純物が十分に除去されない可能性があるんですよ。

そのため、電子レンジで白湯を作る時は、ミネラルウォーターや浄水器の水を使うことをおすすめします。

また、温めすぎると「突沸」という現象が起きて、中身が突然飛び散ることがあるため、最初は短めの時間で様子を見ながら加熱しましょう。

電気ケトルで作る白湯

電気ケトルを使えば、さらに手軽に白湯が作れます。

ただし、電気ケトルの場合も電子レンジと同様に、水道水ではなくミネラルウォーターや浄水器の水を使うのがベストです。

沸騰するタイプの電気ケトルなら、沸騰させてからカップに注ぎ、適温まで冷ませば完成。

温度設定ができるタイプであれば、50〜60℃に設定してそのまま飲めますよ。

ウォーターサーバーで作る白湯

最も手軽なのが、ウォーターサーバーを使った方法です。

ウォーターサーバーの温水は80〜90℃程度に保たれており、ちょうど白湯作りに適した温度なんですよ。

しかも、ウォーターサーバーの水はそもそも不純物が除去されているため、沸騰させる必要がありません。

温水をカップに注いで冷ますか、温水に少量の冷水を加えて温度調整するだけで、すぐに白湯が完成します。

毎日白湯を飲む習慣をつけたい方には、ウォーターサーバーの導入がおすすめですよ。

白湯に使う水は何がいい？水道水とミネラルウォーターの違い

白湯作りで意外と迷うのが、「どんな水を使えばいいの？」という問題です。

水道水で作る場合

水道水には殺菌のためのカルキ（残留塩素）やトリハロメタンなどが含まれています。

そのため、水道水で白湯を作る場合は、必ずやかんや鍋で10分以上しっかり沸騰させて、これらの不純物を飛ばす必要があります。

「カルキ臭が気にならない」という方であれば、水道水でも十分白湯を作れますよ。

ただし、電子レンジや電気ケトルで短時間加熱する場合は、不純物が残る可能性があるため注意が必要です。

ミネラルウォーターで作る場合

ミネラルウォーターは、ろ過やオゾン殺菌、紫外線殺菌などの処理が施されたクリーンな水です。

カルキ臭がなく、無味無臭で飲みやすいのが特徴ですよ。

ミネラルウォーターを使う場合は、長時間煮沸する必要がないため、電子レンジや電気ケトルで手軽に白湯を作れます。

ただし、ミネラルウォーターには「軟水」と「硬水」があり、日本人の体質には軟水の方が適していると言われています。

白湯作りには、国産の軟水のミネラルウォーターを選ぶと良いでしょう。

浄水器の水で作る場合

浄水器を通した水も、白湯作りに適しています。

浄水器でカルキなどが除去されているため、ミネラルウォーターと同じように電子レンジや電気ケトルで手軽に作れますよ。

白湯を飲むことで期待できる効果

白湯がこれほど注目されているのは、様々な健康効果が期待できるからです。

具体的にどんな効果があるのか、詳しく見ていきましょう。

基礎代謝の向上とダイエット効果

温かい白湯を飲むと、胃や腸などの内臓が温められます。

内臓温度が上がると、基礎代謝がアップすると言われているんですよ。

基礎代謝とは、呼吸や体温維持など、私たちが生きていくために必要最低限のエネルギー量のことです。

1日の消費エネルギーの半分以上を占めており、基礎代謝が上がれば何もしなくても消費されるエネルギーが増えるため、ダイエットに効果的なんです。

特に、基礎代謝は加齢とともに減少すると言われているため、白湯で基礎代謝を上げることで「たくさん食べても太りにくい」体質が手に入るかもしれませんよ。

冷え性の改善

「暑い季節でも手足が冷たい」という方は、血行不良に陥っている可能性があります。

白湯を飲んで体を内側から温めることで、血流が促進され、全身に温かい血液が巡るようになります。

基礎体温も上がるため、冷え性に悩んでいる方には特におすすめですよ。

便秘解消とデトックス効果

白湯を飲むと、温められた内臓が活発に動き出します。

特に腸の働きが促進されるため、便秘解消に効果的だと言われているんですよ。

また、水分をたくさん摂取することで血液の循環が良くなり、老廃物が排出されやすくなるデトックス効果も期待できます。

白湯は不純物が除去されているため体内に吸収されやすく、通常の水よりもさらに高いデトックス効果が期待できるんです。

便を柔らかくする効果もあるため、便秘やむくみの解消にも役立ちますよ。

消化機能のサポート

胃腸が温まることで、消化機能も活性化します。

食べたものがきちんと消化されれば、体内で使われるエネルギーになりやすく、健康な体を育む力となるんですよ。

冷たい飲み物や食べ物ばかり摂って胃腸が弱っている時こそ、白湯で内臓を優しく温めてあげましょう。

美肌効果

白湯で体を内側から温めると、血流が促進されて新陳代謝が活発になります。

新陳代謝が整うと、肌のターンオーバー（生まれ変わり）のリズムも整いやすくなるんですよ。

古い角質が自然にはがれ落ちて、新しい角層細胞が肌表面を覆うサイクルがスムーズになるため、美肌づくりを内側からサポートしてくれます。

毎日のスキンケアに加えて、白湯を習慣にしてみるのも良いでしょう。

リラックス効果と睡眠の質向上

温かい飲み物を飲むと、副交感神経が刺激されてリラックスした状態になります。

日常のストレスを和らげたり、心を落ち着かせたりする効果が期待できるんですよ。

就寝前に白湯を飲めば、体が温まってスムーズに入眠でき、睡眠の質も向上するでしょう。

白湯を飲む効果的なタイミング

白湯はいつ飲んでも良いのですが、より効果を実感するためにおすすめのタイミングがあります。

朝起きてすぐに飲む

朝起きた直後の体は、睡眠中にかいた汗で水分が不足しています。

起きてすぐにコップ1杯の白湯を飲むことで、水分補給しながら冷えた体を温められますよ。

内臓の働きが高まり、代謝がスムーズに行われるようになるため、心地よい1日のスタートを切れるでしょう。

ポイントは、朝食を食べる前、まだお腹が空いている状態で飲むこと。

白湯を飲んだ後は、30分ほど時間を空けてから朝食を食べるようにすると良いですよ。

朝1杯の白湯は、腸を刺激して便秘解消にも効果的なんです。

食事の30分前に飲む

食事の30分ほど前に白湯を飲むと、胃腸が温まって消化機能が活性化します。

栄養の吸収を助ける働きも期待できますよ。

さらに、白湯で内臓を温めることで脳の満腹中枢が刺激されるため、食べ過ぎ防止やダイエットにも効果的なんです。

ただし、飲み過ぎると胃液が薄まって消化吸収が悪くなる場合があるため、食前の白湯はコップ1杯程度を目安にしましょう。

食事中に飲む

食事中に白湯を飲むことでも、胃腸の消化機能を促す効果があります。

ただし、水分で食事を流し込んでしまうと噛む量が減ってしまうため、食事はしっかり噛んで、合間で白湯を飲むようにしてくださいね。

飲む量は、やはりコップ1杯程度を目安にしましょう。

就寝前に飲む

就寝30分前くらいに白湯を飲むと、体が温まって副交感神経が優位になります。

リラックスした状態で眠りにつきやすくなり、睡眠の質も向上しますよ。

また、睡眠中に体が冷えるのを防ぎ、夜中にトイレに行きたくなることも減らせます。

ただし、寝る直前に飲むと尿意を誘発してしまうため、就寝30分前くらいのタイミングがベストです。

また、就寝前の白湯の飲み過ぎは夜間トイレに起きる原因になるため、コップ1杯程度に留めておきましょう。

白湯を飲む時の注意点とデメリット

健康に良い白湯ですが、飲み方によっては逆効果になることもあります。

注意点やデメリットも知っておきましょう。

飲み過ぎは禁物

「健康に良いなら、たくさん飲めばもっと効果があるはず」と思うかもしれませんが、白湯の飲み過ぎは逆効果です。

水分を摂り過ぎると、体内のミネラルバランスが崩れたり、胃液が薄まって消化機能が低下したりする可能性があります。

1日に飲む白湯の量は、800ml〜1リットル程度を目安にしましょう。

コップ1杯（200ml）を、朝・食前・就寝前など数回に分けて飲むのがおすすめですよ。

適温で飲む

白湯の適温は50〜60℃程度です。

熱すぎる白湯は、喉や消化器に負担をかけてしまいます。

必ず飲みやすい温度まで冷ましてから飲むようにしましょう。

逆に、ぬるすぎると白湯の効果が十分に得られない可能性があるため、「少し温かい」と感じる程度の温度を保つことが大切ですよ。

ゆっくり時間をかけて飲む

白湯は一気に飲むのではなく、10〜15分程度かけてゆっくり飲むのがポイントです。

少しずつ飲むことで、体を無理なく温められますよ。

薬を飲む時は注意

薬を飲む際に白湯を使うこともありますが、薬の種類によっては白湯ではなく常温の水で飲むべきものもあります。

医師や薬剤師の指示に従って、適切な方法で服用しましょう。

白湯が苦手な人におすすめのアレンジ方法

「お湯の味が苦手」「白湯だと飽きてしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな時は、白湯にちょっとしたアレンジを加えてみましょう。

はちみつ白湯

カップ1杯の白湯にティースプーン1杯のはちみつを加えると、ほんのり甘い味わいになります。

寝る前のリラックスタイムにぴったりですよ。

レモン白湯

白湯にレモンのくし形切りを1〜2個入れると、さっぱりとした味わいになります。

寝起きの口の中をすっきりさせてくれるため、朝の白湯におすすめですよ。

ビタミンCも摂取できて一石二鳥です。

しょうが白湯

すりおろしたしょうがを少量加えると、ピリッとした味わいがアクセントになります。

体を温める効果も高まるため、冷え性の方に特におすすめですよ。

ただし、しょうがは入れすぎると味がきつくなるため、味見をしながら量を調整してくださいね。

よくある質問（FAQ）

白湯に関してよく寄せられる質問をまとめました。

白湯は毎日飲んだ方がいいですか?

はい、白湯は毎日飲むことで効果が実感しやすくなります。

継続することで、基礎代謝の向上や冷え性の改善など、体質改善につながりますよ。

ただし、1日800ml〜1リットル程度を目安に、飲み過ぎには注意しましょう。

白湯はいつ飲むのが一番効果的ですか?

朝起きてすぐのタイミングが最もおすすめです。

睡眠中に冷えた内臓を温め、1日の代謝をスムーズにしてくれますよ。

他にも、食事の30分前や就寝前に飲むのも効果的です。

白湯は冷めても効果がありますか?

白湯は50〜60℃の温度で飲むことで、内臓を温める効果が得られます。

完全に冷めてしまうと、その効果が十分に得られない可能性があるため、温かいうちに飲むようにしましょう。

白湯を作り置きして保存できますか?

保温ポットに入れておけば、数時間程度は適温を保てます。

ただし、一度沸騰させた白湯を長時間放置すると風味が損なわれる可能性があるため、できるだけその日のうちに飲み切るようにしましょう。

白湯は赤ちゃんにも飲ませていいですか?

はい、白湯は昔から赤ちゃんの水分補給にも使われてきました。

ただし、赤ちゃんに与える場合は、必ず人肌程度（30〜40℃）まで冷ましてから飲ませるようにしてくださいね。

電気ケトルで水道水を沸かしてもいいですか?

電気ケトルは短時間で沸騰するため、水道水に含まれるカルキやトリハロメタンが十分に除去されない可能性があります。

電気ケトルを使う場合は、ミネラルウォーターや浄水器の水を使うことをおすすめしますよ。

白湯を飲むとトイレが近くなりませんか?

白湯には利尿作用があるため、トイレが近くなることがあります。

ただし、これはデトックス効果の表れでもあるんですよ。

就寝前に飲む場合は、寝る30分前くらいのタイミングで、コップ1杯程度に留めておくと良いでしょう。

まとめ：白湯で健康習慣を始めましょう

白湯は、水を沸騰させて冷ますだけの簡単な飲み物ですが、基礎代謝の向上、冷え性の改善、便秘解消、美肌効果など、様々な健康効果が期待できるんですよ。

作り方も、やかんで沸騰させる基本的な方法から、電子レンジや電気ケトル、ウォーターサーバーを使った時短方法まで、自分のライフスタイルに合わせて選べます。

朝起きてすぐ、食事の30分前、就寝前など、効果的なタイミングで飲むことを意識すれば、より高い効果が実感できるでしょう。

1日コップ3〜5杯程度を目安に、ゆっくり時間をかけて飲むのがポイントですよ。

「お湯の味が苦手」という方は、はちみつやレモン、しょうがなどでアレンジしてみてください。

白湯は特別な材料も必要なく、誰でも今日から始められる健康習慣です。

毎日の白湯習慣で、体の内側から健康的な生活を手に入れましょう。