ウォーターサーバーはなぜ冷水・温水がすぐに出るの？

毎日の水分補給やコーヒー、カップ麺の準備が瞬時にできるウォーターサーバー。

でも、どうして水道水のようにひねるだけで、冷たい水や熱いお湯がすぐに出てくるのでしょうか？

実は、ウォーターサーバーの内部には、私たちが想像する以上に精密な仕組みが隠されているんですよ。

今回は、その便利さの秘密を詳しく解き明かしていきましょう。

ウォーターサーバーの基本構造を知ろう

2つのタンクが核心部分

ウォーターサーバーの最大の特徴は、内部に「冷水タンク」と「温水タンク」という2つの独立したタンクを持っていることです。

この2つのタンクは、それぞれ異なる温度を常時キープしており、ボトルから供給された水がそれぞれのタンクで冷却・加熱されています。

多くの機種では、冷水タンクの方が容量が大きく設計されているんですよ。

これは、冷たい水の需要が温水よりも多いことを考慮した設計なんです。

水の流れはこうなっている

水ボトルから供給された水は、まず各タンクに分配されます。

そして冷水タンクでは約4〜10℃、温水タンクでは約80〜90℃に調整され、常にその温度を維持しているというわけです。

給水ボタンを押すと、すでに適温に調整された水が給水口から出てくる仕組みになっています。

だからこそ、待ち時間なしで理想的な温度の水やお湯を使えるんですね。

冷水はどうやって作られる？2つの冷却方式を比較

コンプレッサー式：パワフルな冷却力が魅力

コンプレッサー式は、冷蔵庫やエアコンと同じ原理を使った冷却方式です。

冷媒ガスを圧縮・循環させて気化熱を利用することで、効率的に水を冷やしています。

この方式の最大のメリットは、冷却スピードの速さと安定した冷却能力ですよ。

4〜10℃の冷水を短時間で大量に作ることができるため、オフィスなど多人数で使用する環境でも威力を発揮します。

ただし、コンプレッサーが動作する際の音や、電力消費量がやや多いという点がデメリットとして挙げられます。

ペルチェ式：静音性と省電力が自慢

ペルチェ式は、ペルチェ素子という半導体に電気を流すことで冷却する方式です。

この方式の大きな魅力は、作動音がほとんどしないことと、消費電力が抑えられることですね。

ビジネスホテルの小型冷蔵庫にも使われている技術で、寝室に設置する場合や電気代を節約したい方には特におすすめです。

ただし、冷却能力はコンプレッサー式に比べて控えめで、冷水温度は9〜13℃程度となります。

どちらを選ぶべき？用途別の選び方

**コンプレッサー式がおすすめの方**
– しっかり冷えた水が好みの方
– 家族が多く、使用頻度が高い方
– 冷水をたくさん使いたい方

**ペルチェ式がおすすめの方**
– 静音性を重視する方
– 電気代を抑えたい方
– 一人暮らしなど使用量が少ない方

自分のライフスタイルに合わせて選ぶのが一番ですよ。

温水はどのように作られているの？

シンプルで確実な加熱システム

温水の作り方は、冷水に比べるとずっとシンプルです。

ほとんどのウォーターサーバーでは、温水タンク内に設置された金属棒（シーズヒーター）に電気を通して水を加熱しています。

これは家庭用の電気ポットと基本的に同じ仕組みなんですよ。

3つの加熱方式を詳しく解説

**金属棒方式**
最も一般的な方式で、温水タンク内の金属棒を電気で加熱します。

シンプルな構造で故障しにくく、80〜90℃の安定した温度を維持できます。

**ヒーターバンド方式**
タンクの外側に巻きつけたヒーターバンドで温める方式です。

タンク全体を均一に温められるため、加熱ムラが少なく保温効率に優れています。

**瞬間温水システム**
使用する瞬間に常温水を高温の管に通して加熱する最新の方式です。

必要な時だけ加熱するため、電気代の節約効果が期待できますよ。

気になる電気代はどのくらい？省エネ機能も解説

ウォーターサーバーの電気代の目安

ウォーターサーバーは24時間稼働するため、どうしても電気代が気になりますよね。

一般的なウォーターサーバーの電気代は、月額400円から1,000円程度です。

ただし、省エネ機能を搭載した機種なら、月額300円〜600円程度まで抑えることができますよ。

賢く節約！エコモード機能

**手動エコモード**
ボタン一つで省電力運転に切り替えられる機能です。

就寝時や外出時に活用すれば、電気代を大幅に削減できます。

**自動エコモード（SLEEP機能）**
光センサーが部屋の明るさを感知して、自動的に省エネ運転に切り替わります。

夜間の温水タンクの温度を下げることで、消費電力を約30％カットできる機種もあるんですよ。

**デュアルタンク構造**
冷水タンクと温水タンクを完全に分離することで、お互いの熱干渉を防ぎ、無駄な電力消費を抑えています。

安全・安心の機能が充実している理由

チャイルドロックで子どもも安心

小さなお子さんがいるご家庭では、90℃近い熱湯が出ることに不安を感じますよね。

でも心配いりません。

現在のウォーターサーバーには、様々なタイプのチャイルドロック機能が標準装備されています。

**つまみ式チャイルドロック**
つまみを押し込みながら下に押すという2段階操作が必要で、子どもには操作が困難です。

**ボタン式チャイルドロック**
解除ボタンを数秒間長押ししないと温水が出ない仕組みになっています。

**レバー式チャイルドロック**
カバーを開けて内部のボタンを操作する必要があり、最も安全性が高い方式です。

衛生面もばっちり！クリーン機能

長期間使用していると、どうしてもタンク内の衛生状態が気になりますよね。

でも、最新のウォーターサーバーには優秀なクリーン機能が搭載されているんですよ。

**加熱クリーンシステム**
定期的に温水をサーバー内に循環させて、熱湯による殺菌を行います。

70℃以上の熱で雑菌を死滅させるため、衛生状態を常に清潔に保てます。

**UV除菌機能**
紫外線ランプでタンク内を照射し、99.9％以上の除菌効果を発揮します。

**エアクリーン機能**
外気を取り込む際に、フィルターで塵やホコリ、雑菌をしっかりブロックします。

ボトル式以外にもある！ウォーターサーバーの種類

水道直結式ウォーターサーバー

水道管に直接接続して、水道水を浄水しながら使用するタイプです。

ボトル交換の手間がなく、水の注文ノルマもありません。

ただし、設置工事が必要で、停電時は使用できないというデメリットもあります。

給水式ウォーターサーバー

専用タンクに水道水やペットボトルの水を手動で補給するタイプです。

設置場所を選ばず、初期費用も抑えられますが、こまめな給水作業が必要になります。

上置き？下置き？ボトル設置位置の違い

上置きタイプの特徴

ボトルをサーバー上部に設置するタイプで、重力の力で水が供給されます。

停電時でも使用可能ですが、12kgのボトルを持ち上げる必要があるため、女性やお年寄りには負担が大きいかもしれません。

下置きタイプの特徴

ボトルをサーバー下部に設置し、ポンプで水を汲み上げるタイプです。

ボトル交換が楽にできる反面、停電時は使用できず、汲み上げ音が気になる場合もあります。

まとめ：仕組みを理解して最適なウォーターサーバーを選ぼう

ウォーターサーバーの便利さの秘密、お分かりいただけましたでしょうか？

冷水タンクと温水タンクの2つの独立したシステムが、いつでも理想的な温度の水を提供してくれているんですね。

冷却方式には、パワフルなコンプレッサー式と静かで省エネなペルチェ式があり、加熱は主に金属棒を使ったシンプルなシステムが採用されています。

さらに、省エネ機能やチャイルドロック、クリーン機能など、私たちの生活をより便利で安全にしてくれる機能が満載です。

これらの仕組みを理解すれば、あなたのライフスタイルや使用頻度、設置場所に最適なウォーターサーバーを選ぶことができますよ。

冷たい水をたくさん飲みたいならコンプレッサー式、静音性を重視するならペルチェ式、ボトル交換を楽にしたいなら下置きタイプといった具合に、用途に応じて最適な選択ができるでしょう。

ぜひこの知識を活用して、あなたの暮らしをより豊かにしてくれるウォーターサーバーを見つけてくださいね。