ウォーターサーバーとCO2排出量の関係

近年、地球温暖化や気候変動への関心が高まる中、日常生活でのCO2排出量削減が注目されています。

毎日使う飲み水についても、環境負荷を考える方が増えているんですよ。

ウォーターサーバーを検討する際に「本当に環境に良いのか」「ペットボトルと比べてどうなのか」と疑問を持つ方は多いでしょう。

この記事では、ウォーターサーバーのCO2排出量について、データに基づいて詳しく解説していきます。

CO2排出量とは何か

CO2排出量とは、二酸化炭素の排出される量のことで、地球温暖化の主な原因とされる温室効果ガスの一つです。

製品の製造、輸送、使用、廃棄といったライフサイクル全体で発生するCO2の総量を指します。

ウォーターサーバーの場合、ボトルの製造、水の採取・充填、配送、サーバー本体の電気使用、ボトルの廃棄やリサイクルといった全ての過程でCO2が発生しているんです。

ウォーターサーバーがCO2を排出する主な場面

ウォーターサーバーに関連してCO2が排出される場面は主に4つあります。

1つ目は、ボトルの製造過程です。

プラスチックボトルを作る際には、原料の石油を加工するためにエネルギーが必要で、この時にCO2が発生します。

2つ目は、水の採取から充填、そして各家庭への配送です。

トラックでの輸送には燃料が使われるため、配送距離が長いほどCO2排出量は増加します。

3つ目は、ウォーターサーバー本体の電気使用です。

24時間稼働して冷水・温水を維持するため、電気を消費し、その発電過程でCO2が排出されます。

4つ目は、使用済みボトルの廃棄・リサイクル処理です。

リサイクルには収集・運搬・再生処理のエネルギーが必要で、この過程でもCO2が発生するんですよ。

ウォーターサーバーとペットボトルのCO2排出量比較

それでは、ウォーターサーバーとペットボトルでは、どちらがCO2排出量が少ないのでしょうか。

具体的なデータを見ていきましょう。

ペットボトル1本あたりのCO2排出量

500mlのペットボトル1本を製造・廃棄・リサイクルする際のCO2排出量は、約119gとされています。

これは環境省のデータに基づく数値です。

1日に500mlのペットボトルを1本消費すると、1年間で約43.5kgのCO2を排出する計算になります。

家族4人で毎日ペットボトルの水を飲むとなると、年間174kgものCO2排出量になるんです。

さらに、ペットボトルの製造には大量のプラスチックが使用され、その原料である石油の採掘・精製過程でも多くのCO2が発生しています。

日本では年間約230億本ものペットボトルが消費されており、その環境負荷は決して小さくありません。

ウォーターサーバーなら52%のCO2削減が可能

一方、ウォーターサーバーの場合、ペットボトルと比較して大幅にCO2排出量を削減できることが分かっています。

ウォーターサーバー業界大手のプレミアムウォーターは、CO2e排出削減率を可視化する「デカボスコア」を業界で初めて取得しました。

このデータによると、プレミアムウォーターの天然水を飲むことで、コンビニなどで流通している主要ペットボトル飲料水と比較して、52%ものCO2e排出量を削減できることが証明されています。

これは、ウォーターサーバー用のボトルが500mlペットボトルの約24本分（12L）という大容量であること、そしてプラスチック使用量が少ないことが大きく影響しているんですよ。

年間のCO2削減効果を数値で比較

具体的な数値で見てみましょう。

4人家族が1日2Lの水を消費する場合、ペットボトル（500ml×4本）で年間約174kgのCO2を排出しますが、ウォーターサーバーなら約83kgに削減できます。

その差は年間約91kgです。

これは、自動車で約940km走行した時に排出されるCO2と同等の量に相当します。

東京から広島までの距離とほぼ同じですから、その削減効果の大きさが実感できるのではないでしょうか。

さらに、最新の取り組みとして、プレミアムウォーターは天然水ボトルのプラスチック使用量を従来の約23%（約33g）削減する新ボトルを導入しました。

この軽量化により、工場での電気使用量を月6,402kWh削減し、CO2排出量は年間で約42tも削減できるとのことです。

42tという数字は、一般家庭約10世帯分の年間CO2排出量に相当する大きなインパクトがあります。

ウォーターサーバーのプラスチック使用量とCO2の関係

CO2排出量を考える上で、プラスチック使用量は切り離せない問題です。

ウォーターサーバーのボトルには、大きく分けて2つのタイプがあります。

リターナブルボトルとワンウェイボトルの違い

リターナブルボトルは、使用後に回収されて洗浄・殺菌され、再び水を充填して使用される再利用型のボトルです。

硬質プラスチックで作られており、繰り返し使えるため、製造にかかるCO2排出を抑えられます。

ただし、回収・洗浄・再配送の輸送コストがかかるため、配送距離によっては環境負荷が増える可能性もあります。

一方、ワンウェイボトルは使い捨てタイプで、使用後は家庭で廃棄またはリサイクルに出します。

薄手のペットボトル素材で作られており、使用後は小さく潰せるため保管場所を取りません。

回収の必要がないため配送効率が良く、配送に伴うCO2排出を抑えられるというメリットがあります。

どちらが環境に優しいかは、配送距離、リサイクル率、プラスチック使用量など複数の要素を総合的に判断する必要があるんですよ。

プラスチック削減によるCO2削減効果

プラスチックの製造には石油が原料として使われるため、プラスチック使用量を減らすことは直接的にCO2排出量の削減につながります。

ウォーターサーバー用の12Lボトルは、500mlペットボトル24本分の水を1つのボトルで提供できるため、単純計算でもプラスチック使用量を大幅に削減できます。

500mlペットボトル1本あたりのプラスチック使用量は約20gですから、24本で480gです。

一方、12Lのウォーターサーバーボトルのプラスチック使用量は、軽量化されたもので約110g程度と言われています。

つまり、同じ12Lの水を提供するのに、ペットボトルの約4分の1のプラスチックで済むことになります。

プラスチックの製造過程で発生するCO2を考えると、この差は環境への大きな貢献になるんです。

ウォーターサーバーの電気代とCO2排出量

ウォーターサーバーのデメリットとしてよく挙げられるのが、24時間電源を入れ続けることによる電気代と、その電気使用に伴うCO2排出です。

確かに、ウォーターサーバーは冷水と温水を常時利用できるよう、24時間稼働し続けます。

一般的なウォーターサーバーの月間電気代は約500円から1,000円程度とされています。

省エネモデルなら月350円程度に抑えられる機種もあります。

電気1kWhあたりのCO2排出量は約0.55kg（日本の平均的な電力会社の場合）ですから、月30kWhの電気を使うウォーターサーバーなら、月16.5kg、年間で約198kgのCO2を排出する計算になります。

しかし、ここで重要なのは「トータルでの環境負荷」を考えることです。

ウォーターサーバーがあれば、電気ポットやケトルでお湯を沸かす必要がなくなります。

毎日2回お湯を沸かす場合、電気ポットの年間電気代は約3,000円から4,000円程度で、CO2排出量も相応に発生します。

ウォーターサーバーの温水機能を使えば、この分のCO2排出を削減できるため、実質的な増加分は思ったより少ないんですよ。

また、冷蔵庫でペットボトルを冷やす電気代も不要になるため、総合的に見れば電気使用量の大幅な増加にはならないケースも多いです。

環境に優しいウォーターサーバーの選び方

環境負荷を最小限に抑えたいなら、ウォーターサーバー選びにも工夫が必要です。

まず、省エネ機能が充実したモデルを選びましょう。

ECOモードやスリープ機能がついた機種なら、電気代を30%から50%削減でき、それに伴うCO2排出量も減らせます。

次に、プラスチック使用量が少ない軽量ボトルを採用しているメーカーを選ぶことも重要です。

さらに、地元の水源を利用しているメーカーなら、配送距離が短くなり、輸送に伴うCO2排出を抑えられます。

採水地が近いほど、環境負荷は低くなる傾向があるんです。

リターナブルボトルを採用しているメーカーも、繰り返し使えるため資源の無駄を減らせます。

また、カーボンニュートラルやCO2削減に積極的に取り組んでいる企業のサーバーを選ぶことで、環境保全活動を間接的に応援できますよ。

プレミアムウォーターのように「デカボスコア」を取得しているメーカーは、CO2削減効果を数値で証明しているため、選ぶ際の判断材料になります。

ウォーターサーバーとSDGsの関係

ウォーターサーバーの利用は、国連が掲げるSDGs（持続可能な開発目標）の達成にも貢献します。

特に関連が深いのは、目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」の3つです。

目標12では、2030年までに廃棄物の発生を大幅に削減することが求められています。

ウォーターサーバーは大容量ボトルを使用することで、小型ペットボトルと比べて廃棄物の発生を抑えられます。

特にリターナブルボトルなら、使い捨てプラスチックの削減に大きく貢献できるんです。

目標13は気候変動対策に関するもので、CO2排出量の削減が重要な課題となっています。

先ほど説明した通り、ウォーターサーバーはペットボトルと比較して52%ものCO2削減効果があるため、この目標達成に直結します。

目標14は海洋汚染の防止を目指しており、特にプラスチックごみによる海洋汚染が深刻な問題です。

プラスチック使用量を減らすことは、海に流出するプラスチックごみの削減につながり、海洋生態系の保護に貢献します。

ウォーターサーバーを選ぶことは、単なる便利さだけでなく、地球環境を守る行動の一つなんですよ。

マイボトルとの組み合わせでさらにCO2削減

ウォーターサーバーの環境効果をさらに高める方法があります。

それは、マイボトル（水筒）との組み合わせです。

自宅のウォーターサーバーからマイボトルに水を入れて持ち歩けば、外出先でペットボトル飲料を購入する必要がなくなります。

マイボトルを15回以上使えば、ペットボトルよりもCO2排出量が低くなるとされています。

100回使用すればさらに効果的で、1回あたりのCO2排出量は約13.9gに抑えられます。

ペットボトル1本が約119gですから、約88%もの削減効果があるんです。

最近では、街中や公共施設に無料の給水スポットが増えており、マイボトルがあればいつでも水を補給できます。

「mymizu」や「MUJI Life」などのアプリを使えば、全国の給水スポットを簡単に探せますよ。

ウォーターサーバーとマイボトルを組み合わせることで、自宅でも外出先でも、環境に配慮した水の利用が可能になります。

ウォーターサーバーのデメリットも理解しよう

環境面でのメリットが多いウォーターサーバーですが、デメリットも正直にお伝えしておきます。

まず、サーバー本体の製造にもCO2が発生します。

金属やプラスチック部品を使用しており、その製造・組立・配送にエネルギーが必要です。

ただし、サーバーは長期間使用するものですから、使用期間が長いほど1年あたりの環境負荷は薄まります。

次に、定期的なメンテナンスや交換時の回収・配送にも輸送エネルギーが必要です。

また、浄水型ではなく天然水タイプの場合、遠方の採水地から水を運ぶことになり、輸送距離が長いほどCO2排出量は増加します。

さらに、ワンウェイボトルの場合、使い捨てプラスチックであることに変わりはなく、リサイクル率が100%でない限り、一部は埋め立てや焼却処分されることになります。

これらのデメリットを踏まえた上で、それでもペットボトルを大量消費するよりは環境負荷が低いというのが、データに基づく結論です。

完璧な選択肢はありませんが、より良い選択を積み重ねることが大切なんですよ。

まとめ：ウォーターサーバーでCO2削減に貢献しよう

ウォーターサーバーとCO2排出量について、詳しく見てきました。

データから明らかになったのは、ウォーターサーバーはペットボトルと比較して52%ものCO2排出量を削減できるという事実です。

年間91kgのCO2削減は、自動車で940km走行分に相当し、決して小さくない環境貢献になります。

プラスチック使用量も大幅に削減でき、SDGsの複数の目標達成にも寄与します。

電気代による環境負荷はあるものの、電気ポットやケトルの使用削減を考えれば、トータルでの環境負荷は十分に抑えられるんですよ。

環境に配慮したウォーターサーバーを選び、マイボトルと組み合わせることで、さらに大きな環境効果が期待できます。

地球温暖化や気候変動は待ったなしの課題です。

毎日使う飲み水だからこそ、環境に優しい選択をすることが、未来の地球を守ることにつながります。

ウォーターサーバーの導入を検討しているなら、ぜひCO2排出量削減効果も判断材料の一つに加えてみてくださいね。

小さな選択の積み重ねが、大きな環境保全につながります。

今日から、あなたもウォーターサーバーでCO2削減に貢献してみませんか。