ロゴ

日本の水道水は安全?水質基準と残留塩素の真実をわかりやすく解説

日本の水道水は「水道法」で定められた51項目の水質基準を満たさなければならず、東京都水道局は独自に「あんぜん・あんしん水質指標」を設けています。

これは131か所の蛇口で総トリハロメタン、カドミウムや鉛など6種類の有害金属、ベンゼンやトリクロロエチレンなど7種類の有害有機物を検査し、それぞれ国の基準値の50%以下を目指すものです。

令和5年度の検査では、対象7項目すべてで100%の達成率を記録し、安全性の高さが示されています。

残留塩素による殺菌と味のバランス

水道水に添加される塩素は、病原菌を消毒するためのものです。

WHOでは塩素のガイドライン値を5 mg/Lとしており、この濃度でも生涯飲み続けても健康に影響がないとされています。

日本では残留塩素を0.1 mg/L以上と定める一方、カルキ臭を防ぐため1 mg/L以下という目標値も設定しています。

東京都は味と安全性を両立させるため、蛇口で0.1~0.4 mg/Lになるよう管理しています。

浄水場での厳しい検査と監視体制

浄水場では原水の濁りを取り除き、塩素で消毒した後、定期的な水質検査を行います。

東京都は131か所の蛇口で「あんぜん・あんしん水質指標」の達成状況を公表しており、異常があれば迅速に対策を講じる仕組みを整えています。

水道水の安全性に関する不安と科学的根拠

トリハロメタンと有害物質の安全基準

塩素が原水中の有機物と反応すると「トリハロメタン」が生成されます。東京都は総トリハロメタン濃度を基準値0.1 mg/Lの半分以下に抑える目標を掲げ、実際の検査でも基準値未満であることが確認されています。

心配な場合は5分程度煮沸するか浄水器を使うと大部分を除去できますが、その際は塩素も減るため早めに飲み切る必要があります。

病原菌やウイルスは浄水処理で除去

クリプトスポリジウムなどの病原体は、適切な浄水処理で取り除かれています。

東京都の調査では水道水からノロウイルスが検出されたことはなく、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスも塩素で速やかに感染性を失うため、水道水を介した感染の心配はありません。

ダイオキシン類や重金属の対策

ダイオキシン類は焼却や工場排水などから生じる可能性がありますが、東京都の調査では水質目標を大きく下回るレベルで検出されています。

また、東京都は有害金属6項目すべてで基準値の半分以下を目指しており、トリハロメタンと同様に厳しい自主目標で管理しています。

アスベストや老朽管の安全性

古いアスベストセメント管は1990年代までに区部で、2007年までに多摩地区でほぼ全て取り替えられています。

厚生労働省やWHOは、飲料水中のアスベスト量は健康影響が極めて小さいことから水質基準を設けていません。

残留塩素のにおいや味が気になる場合

カルキ臭が気になるときは、水を数分煮沸したり、ふたを開けた容器で一晩冷蔵庫に置いたりすると塩素が抜けて味がまろやかになります。

ただし塩素が減ると雑菌が繁殖しやすくなるため、必ず1日程度で飲み切り、容器も清潔に保ちましょう。

水道水をもっと安心・おいしく飲むための工夫

浄水器やウォーターサーバーの活用

家庭用浄水器は塩素やトリハロメタン、重金属などを除去でき、味の改善に効果的です。

交換時期を守らないとフィルターに雑菌が繁殖するので、取扱説明書に沿って定期交換を行いましょう。

市販のボトル水やウォーターサーバーを利用する場合は、塩素が含まれないので開封後は早めに飲み切ることが大切です。

水道水の安全な保存方法

非常用に水を保存する際は、清潔な容器を使用してなるべく空気に触れないよう注ぎ、暗所で保管します。

残留塩素がある水道水なら数日間保存できますが、煮沸や浄水器で塩素を除去した水は冷蔵庫で保管し、24時間以内に使い切ってください。

妊婦や赤ちゃんへの配慮

日本の水道水は基準を満たしており、妊娠中でも安心して飲めますが、味が気になる方は煮沸してから冷まして使用するとよいでしょう。

赤ちゃんの粉ミルクに使う場合も一度煮沸してカルキ臭を飛ばし、清潔な容器で調乳することが推奨されます。

まとめ:水道水の安全性を理解し、安心して利用しよう

日本の水道水は厳しい基準と徹底した監視の下で供給されており、東京都はトリハロメタンや有害金属を国の基準の半分以下に抑える独自目標を達成しています。

塩素消毒は人体に安全な濃度で行われ、ウイルスや細菌の繁殖を防いでいます。

ダイオキシンやアスベストのリスクも監視や設備更新によって極めて低く管理されています。

こうした科学的根拠を知ることで、水道水を安心して飲むことができ、必要に応じて煮沸や浄水器を利用することで味の改善も可能です。

プラスチックボトルを減らし、環境にも優しい水道水を賢く利用しましょう。